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所謂雑記以下。表の裏に屑は掃き溜められて行くのです。Dust to Dust. 誰も読まないだろうからここにぐだぐだと長い文章を書いて見ました。
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音沙汰。
「拝啓私様へ。
 私がこの手紙を読んでいる頃、私は既にこの世には居ないのでしょう。
 しかしてそれが大した事だとはとても言えない、この世界の切なさ。
 どうでもよろしい事で御座います。
 
 折り重なる仕事事情と、心模様。度重なる己が欲求に、空模様。
 隈なく暇なく連続するそれに、危機感と言う感覚にも慣れてしまい、
 ぴりぴりと肌を突かれるような名残だけが、こびり付いて御座います。
 
 緊張と倦怠の狭間で、僅か些細な均衡を保つが如く、揺蕩う個室にて、時折……、
 鳴り響く電話の鈴音、電子手紙の着信知らせ、過剰なほどに感情を刺激されます。
 泣きたいのか、怒りたいのか、悲しいのか、苦しいのか、怖いのか、わからないまま、
 とりあえず、表情と言う水面に、笑みを浮かべる次第に御座います。
 
 何よりも望んだものは、私からの愛なのです。私からの、信頼なのです。
 だけどもそれが、意外と、とても難しい。
 目の前にあるそれに、手を伸ばそうとも、まるで割れない硝子に阻まれているかのような、
 もどかしく、余計に焦りを煽られる、遊戯のような現実で御座います。
 
 私は死後の世界と言うのを、信じているのでしょうか。
 在っても良いとは思うものの、信じてはおりません。
 けれど、この手紙を読んでいる私が存在しているのであれば、それはある意味確固たる、
 確かな実感を持っての、死後の世の証明となり得るのでは御座いませんか。
 
 今、小振りで一振りの、大して値も張らないこの刃物を、振るいましょう。
 勇気と、しばしの怯えとともに、振るいましょう。
 狙うは私、それもこの白く白々しく、細く細々とした、首元に御座います。
 握りしめて。
 
 それでは、そろそろ、そろそろと私は筆を置かせて頂きます。
 不揃いで歪な文章を、つらつら書き連ねるのも、中々に愉快で、しかし苦痛でも在るのですから。
 願わくば、私は私にご壮健でいてもらいたいと、思います。
 敬具。」
 
そんな手紙を、机の上に見つけました。
何の事は無い、小さな葉書。
のたうつように、読みづらい文字が、所狭しと、書き並べられていました。
自分で昨夜書いた物だというのに、とてもそれは、
禍々しく、厄介で、しかしてとても詰まらない、取るに足らない、異物に見えるのでした。
 
軽やかに、傍らのナイフを手にとり、葉書へと、突き立てます。
縦に3回。
横に4回。
計20に切り分けられたそれら破片を、輪ゴムでぐるぐるに綴じて。
ぐるぐるに、封をして、
そこに在る屑篭へ、ぽい、と。
 
捨てました。
 
肩の荷降ろして、一足お先、襟元揃えて、秋の空、沁みてくる寒風。
心地良く。

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